貧の妙薬

原作:井原西鶴、太宰治

ストーリー

koban.png貧乏長屋に妻と暮らす浪人・原田内助は、借金取りに責め立てられながらも、どうやって大晦日を越そうかと悩んでいた。そこへ開業医である妻の兄からダメ元で無心していた金が届けられる。包みに入っていた金は小判が10枚!大喜びの内助は、この喜びを友人たちと分かち合おうと酒宴を開く。友人たちも10枚の小判を手に取り、そのお裾分けの酒を大いに楽しんだ。そして宴が終わりに近づいた頃、小判をしまいなされ、と促された内助が畳に散らばった小判を集めてみると、あろうことか、小判は9枚に減ってしまっていた。たちまち、その場に緊張が走る。そして・・・

解説

ihara.jpg
井原西鶴
dazai.jpg
太宰治
『貧の妙薬』は、江戸時代の浮世草子、浄瑠璃作者である井原西鶴が、「西鶴諸国ばなし」に記した一編、「大晦日は合わぬ算用」を原作にしています。小判をめぐる騒動を軸にして、江戸時代の侍の堅苦しい生き方を、町人という立場から見た西鶴が笑い飛ばしたお話です。西鶴自身は、この題材を江戸時代初期の仮名草子「可笑記」からとったと見られています。この物語は後に太宰治が短編小説「貧の意地」として脚色し、また「元禄忠臣蔵」などで知られる戯曲作家、真山青果も「小判拾壱両」として戯曲化しています。太宰、真山、両作家ともに、西鶴の原作をやはり「武士の意地」をテーマに脚色していますが、少々理屈っぽい内容であるため、今回上演する「貧の妙薬」はその「意地の張り合い」はそれとして残しながら、「貧しさの中での真の幸福の源とは何か?」ということも、それとなくテーマにしています。とはいえ、このお話の一番の見所は、やはり小判にまつわる騒動につきますので、あまり難しく考えずに楽しんでいただけると幸いです。登場人物などの詳細については太宰版をベースにしています。

登場人物

原田内助
武州品川宿・藤茶屋近くの借家住まいの浪人

その妻・お松
内助の女房

山崎
浪人・内助友人

宇津木
浪人・内助友人

大竹
浪人・内助友人


浪人・内助友人

短慶坊
浪人・内助友人

杢之助
お松の兄・半井清庵医師の手代

お竹ちゃん
米屋のお使い

お梅
お松友人


Top of Page